傷病手当金で生活できる?

結論から言うと、私は傷病手当金だけでも生活することができました。
ただし、会社員時代とまったく同じようにお金を使えるわけではありません。
支給額は、以前の給料の約3分の2です。
さらに、傷病手当金を受給している間も健康保険料や住民税などの支払いはあります。
この記事では、実際に18か月間受給してみて、
・傷病手当金はいくらだったのか
・実際に生活は苦しかったのか
・どんなことに気をつけてお金を使ったのか
・18か月の療養期間で何ができたのか
について、私自身の経験をまとめます。
※傷病手当金の支給額や税金・社会保険料、利用できる制度は個人の状況によって異なります。この記事では、あくまで私の場合の実例として紹介します。
傷病手当金を18ヶ月受給した結果

会社員時代の給料
傷病手当金について考える前に、まずは私が働いていた頃の収入を整理してみます。
会社員時代の給料は、額面で約26万円。
実際に振り込まれる手取りは約22万円でした。
これにボーナスや交通費などが加わります。
傷病手当金は31日分で約17万3,000円
私の場合、傷病手当金は31日分で約17万3,000円でした。
会社員時代の額面26万円と比較すると、およそ3分の2です。
つまり、傷病手当金を受給すると、それまでと同じ感覚でお金を使っていれば当然、毎月赤字になってしまいます。
ただ、だからといって「17万円しかないから極限まで節約しなければ」と考える必要もありませんでした。
重要なのは、自分が実際にいくらあれば生活できるのかを知っておくことだと思います。
私の場合は、それが月12~14万円くらいでした。
この差があったので、傷病手当金を受給しながらでも、なんとか生活を維持することができました。
失業中でも必要な支払い

ここは、これから傷病手当金を受給する人には知っておいてほしいところです。
傷病手当金が約17万円入るからといって、その17万円を全部生活費に使えるわけではありません。
私の場合、療養中にもいくつかの支払いがありました。
毎月約3万円が社会保険料や税金に消えた
当時の私の場合は、おおむね次のような負担がありました。
健康保険料:約23,000円
市県民税:約7,000円
年金 :全額免除
合計すると、毎月約3万円です。
つまり、17万3,000円の傷病手当金を受け取っても、ここから約3万円を支払うことになります。
そうすると、実際に生活費として使えるのは約14万円。
私の生活費は12~14万円程度だったため、ギリギリではあるものの、なんとか収まっていました。
なお、健康保険料や住民税などの金額は、前年の所得や住んでいる自治体、加入している健康保険などによって変わります。
「自分の場合はいくらになるんだろう?」
と思ったら、加入している健康保険や自治体の窓口に確認してみるのがおすすめです。
傷病手当金の金額だけを見るのではなく、実際に毎月いくら手元に残るのかまで計算しておくことが大切だと思います。
月12~14万円の生活費なら十分生活できた
私が傷病手当金を受給している間、比較的落ち着いて生活できた理由の一つが、療養前から家計簿をつけていたことです。
一人暮らしを始めてから5年ほど、毎月どのくらいのお金を使っているのかを記録していました。
そのため、傷病手当金を受給することになったときも、生きていくのに必要な最低ラインがわかっていました。
私の場合、だいたい月12~14万円。
もちろん月によって多少の上下はありますが、「自分はこれくらいのお金で生活できる」という感覚がありました。
自分の生活費を数字で把握しておけば、その不安をある程度、具体的な数字に置き換えることができます。
以前書いた生活費の記事では、私が実際にどのような支出で生活しているのかを詳しく紹介しています。
「一人暮らしで月12~14万円くらいに抑えると、どんな生活になるの?」
という方は、そちらも参考にしてみてください。
参考記事→「週5フルタイム」をやめて週3で働くという「現実的な設計図」
動画→実質生活費14万円で暮らす家計を公開|週3勤務でも無理なく生活できる理由
傷病手当金の18ヶ月を乗り切るために、やらなかったこと

大きな買い物をしなかった
傷病手当金を受給している間は、大きな買い物をできるだけしないようにしていました。
私は貯金を「体力ゲージ」のようなものだと考えています。
元気なときなら多少の出費があっても、働けばまたお金を補充できます。
でも療養中は、基本的に収入を増やすことが難しい。
そう考えると、貯金は「いつでも使っていいお金」というより、体調が悪化したときや急な出費が発生したときのための体力ゲージです。
傷病手当金の範囲内で生活できているなら、それほど問題ありません。
でも、その範囲を超えて大きな買い物を続ければ、少しずつ体力ゲージがゴリゴリ削られていきます。
だから、買い物をするときも、
「本当に今必要なのか?」
「これを買っても生活に影響しないか?」
と一度考えるようにしていました。
欲しいものをすべて我慢したわけではありません。
ただ、以前よりも「今買う必要があるのか」をよく考えるようになりました。
欲しいものは元気になって働けるようになった時に買おうとモチベーションにしていました。
生活水準を極端に下げることもしなかった
一方で、何でもかんでも削ればいいとも思っていません。
固定費や使っていないサービスなど、明らかに必要のない支出は見直しました。
でも、生活そのものを苦行にするような節約はしませんでした。
例えば、
「10円安い卵を買うために隣町のスーパーまで行く」
「食費を削るために食事を1食減らす」
「毎日もやしだけを食べる」
……といった極端な節約です。
もちろん、本当に生活が苦しいのであれば、できることから削る必要はあります。
ただ、療養中はただでさえ体調や将来への不安があります。
そこに「1円でも安くしなければ」というストレスまで加えると、何のために療養しているのかわからなくなってしまいます。
私は、無駄は削るけど、必要以上に生活を苦しくしないくらいのバランスで考えていました。
18ヶ月という期間が、療養生活をどう変えたか

ここが、私にとって傷病手当金の一番大きな意味だったと思います。
傷病手当金がなければ、もっと早い段階で、
「そろそろ働かないと」
と焦っていたはずです。
もちろん、生活費がなければ働くしかありません。
でも、毎月ある程度の生活費を確保できたからこそ、私は「今すぐ働く」以外の選択肢を考えることができました。
療養しながら簿記2級に挑戦できた

リハビリを兼ねて簿記2級に挑戦していました。
私は簿記2級の取得に3年、合計717時間ほどかけました。
参考記事→うつ病患者が簿記2級に717時間かけて合格した話【15回受験】
動画→【うつ病患者】簿記2級に717時間かけて合格しました【15回受験】
普通に働きながらだったら、ここまで時間をかけて挑戦できたかはわかりません。
もちろん、療養中だからといって毎日勉強できたわけではありません。
体調が悪くて何もできない日もありました。
それでも、「明日までに結果を出さなければ生活できない」という状態ではなかったのが大きかったです。
ブログやYouTubeの挑戦や、次の働き方も考えられた

また、ブログを書いたり、YouTubeを始めたり、これからの働き方について考えたりする時間も持てました。
以前の私は、会社で週5日働くことが当たり前だと思っていました。
でも療養期間中に、自分の生活費や体力、これまでの仕事を改めて考えていく中で、
「週5日フルタイム以外の働き方でもいいのでは?」
と思うようになりました。
そして今は、週3日程度の会社勤務と、自分の事業を組み合わせる働き方を目指しています。
もちろん、まだ実験段階です。
この働き方が数年後にどうなっているかはわかりません。
それでも、18ヶ月という時間がなければ、ここまで考える余裕はなかったと思います。
傷病手当金が終わったらどうなる?

私の場合、18ヶ月の傷病手当金が終了した後は、雇用保険の失業給付へ移りました。
「傷病手当金が終わったら、いきなり収入がなくなるのでは?」
と心配していたので、次に利用できる制度があったことはかなり大きかったです。
関連記事→傷病手当終了後のハローワーク体験|300日の猶予と週3日就職戦略
失業給付は300日だった
ハローワークで手続きをしたところ、私は「就職困難者」に該当し、所定給付日数は300日となりました。
日数だけを見ると、ほぼ10か月です。
つまり私の場合、
傷病手当金:約18か月
↓
失業給付 :約10か月
という流れになりました。
単純に期間を足すと、約28か月。
約2年4か月です。
誰でも傷病手当金を18か月受給できる、誰でも失業給付を300日もらえる、という意味ではありません。
ただ、自分が利用できる制度を調べてみると、「もうすぐ傷病手当金が終わるから、すぐにフルタイムで働かなければ」と思っていた私にも、もう少し時間をかけて社会復帰を目指す道がありました。
【重要】障害年金を受給している場合は注意が必要

傷病手当金を受給している途中で障害年金の受給が決まりました。
ここは実際に経験して「知らないと怖い」と感じたところです。
傷病手当金と障害年金は併用ができず、傷病手当金の支給額が調整されます。
イメージとしては、
傷病手当金 :約17万円→調整後12万円
障害年金 :約5万円
合計 :約17万円
という形です。
さらに、障害年金が後から決定され、過去の期間についても支給された場合には、すでに受け取った傷病手当金との調整が発生することがあります。
私自身も、後からまとまった金額の調整が発生しました。
もし同じような状況になった場合、遡って支給されたお金を「臨時収入だ!」と思ってすぐに使ってしまうのは避けた方がいいと思います。
後から返還や調整が必要になる可能性があるためです。
なお、傷病手当金と障害年金の調整は個々の事情によって扱いが変わる場合があります。
この部分は自己判断せず、加入している健康保険や年金事務所などに確認してください。

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